Qt(キュート)プログラム実行まで［サンプル(前編)］

サンプル画面の作成

サンプル画面について

ボックス・フォーム・グリッド・スタックなど、いろいろなレイアウトを使ったサンプルです。
ラベル・プッシュボタン・テキストボックスなど、よく使うウィジェットが入っています。
また、ファイル選択・色選択・メッセージボックスなどのダイアログもあります。

「サンプル(前編)」で、画面上側のメニュー／ツールバーと下側のステータスバーを作成します。
「サンプル(中編)」で、クライアント領域のほとんどを作ります。
「サンプル(後編)」で、画面右下のスタックレイアウトの内容を作ります。

このサンプルを実行するには下記のインクルードが必要です。詳しくは「ソースの確認」参照。

#include <QtWidgets>

関数の宣言 (mainwindow.h)

サンプル画面は３つに分けて作成します。
・上側のメニューバーとツールバー
・下側のステータスバー
・中央のクライアント領域

初期設定と各部分の作成 (mainwindow.cpp)

最初にウインドウのタイトルやアイコンなどを設定します。それから３つの部分を作成します。

※スプリッターは、つかむところに色を付けて目立つようにしています。

メニューとツールバー

メニューの構成

メインメニュー(ファイル／ダイアログ／参考)と、サブメニュー(メッセージ)を作ります。
４項目(情報表示／ウインドウを閉じる／色選択／フォント選択)をツールバーに表示します。

メニューとツールバーの追加 (mainwindow.cpp)

この関数内でメニューとツールバーを追加します。

１．[ファイル] メニュー追加

アクションを２つ作ってメニューに追加します。

ファイル (fileMenu) 項目	アクション	イベント関数	アイコン、キー、チップ文字列
情報表示	infoAct	windowInfo()	アイコンあり、Ctrl+1キー、ウインドウ情報の表示
ウインドウを閉じる	exitAct		アイコンあり、Ctrl+9キー、アプリケーションの終了

スロットに close() を指定すれば、終了処理を行う関数を記述する必要がありません。
「ウインドウを閉じる」が選択された時、自動的にウインドウを閉じて終了します。

２．[メッセージ] サブメニュー作成

アクションを２つ作ってサブメニューに追加します。

メッセージ (msgMenu) 項目	アクション	イベント関数
警告メッセージ	msgWarnAct	dialogMsgWarn()
確認メッセージ	msgYesNoAct	dialogMsgYesNo()

メインメニューはメニューバーに追加するだけですが、サブメニューの場合は newで作成します。

３．[ダイアログ] メニュー追加

アクションを５つ作り、上で作ったサブメニューと一緒にメニューに追加します。

ダイアログ (dialogMenu) 項目	アクション	イベント関数
ファイルを開く	openAct	dialogFileOpen()
名前を付けて保存	saveAct	dialogFileSave()
フォルダ選択	pathAct	dialogDirPath()
色選択	colorAct	dialogColor()
フォント選択	fontAct	dialogFont()
メッセージ	msgMenu

４．[参考] メニュー追加

アクションを２つ作ってメニューに追加します。

参考 (refMenu) 項目	アクション	イベント関数
標準Pixmap一覧	pixmapAct	displayStandardPixmap()
標準カーソル	cursorAct	checkStandardCursor()

５．ツールバーにメニュー項目を追加

２つのツールバーを作ってメニュー項目のアクションを追加します。
アクションにアイコンがなければツールバーには文字が表示されます。

ショートカットキーについて

ショートカットキーの指定 (未確認)

ショートカットキーは、setShortcutで指定できます。

menuAct1->setShortcut(tr("Ctrl+1"));

テキスト内の"&"の直後の文字はショートカットキー(Alt＋文字)になります。

QMenu *fileMenu = menuBar()->addMenu(tr("&File"));
QAction *exitAct = new QAction(tr("E&xit"), this);

日本語の場合は(&英字)にします。

QAction *exitAct = new QAction(tr("閉じる(&x)"), this);

行編集の場合は相棒のラベルに設定します。

QLineEdit *edit = new QLineEdit;
QLabel *label = new QLabel("&Tel:");
label->setBuddy(edit);

※&を表示する場合は&&と２つ並べます。
※１つのテキストに複数の&を指定しても、その中の１つしか割り当てられません。
※同じキーを複数のテキストで指定すると、該当する処理を順番に行います。
　ただし、キーを１回押すごとに１つの処理しか行いません。。

メニューのイベント処理

イベント関数

No	メニュー項目	イベント関数	内容
１	情報表示	windowInfo()	ウインドウのXY座標・横×縦・状態
２	ファイルを開く	dialogFileOpen()	[ファイルを開く] ダイアログ
３	名前を付けて保存	dialogFileSave()	[名前を付けて保存] ダイアログ
４	フォルダ選択	dialogDirPath()	[フォルダ選択] ダイアログ
５	色選択	dialogColor()	[色選択] ダイアログ
６	フォント選択	dialogFont()	[フォント選択] ダイアログ
７	警告メッセージ	dialogMsgWarn()	メッセージボックス(警告)
８	確認メッセージ	dialogMsgYesNo()	メッセージボックス(確認)
９	標準Pixmap一覧	displayStandardPixmap()	Qt標準Pixmapサンプル
10	標準カーソル	checkStandardCursor()	Qt標準カーソルサンプル
11		closeDialog()	ダイアログ終了処理